虚言癖の相手が望ましい行動をしてくれるようにするには?

アメリカ合衆国の心理学者で行動分析学の創始者のバラス・スキナーは1960年代に、動物の行動がどんな場合に変化するのか、その要因となるものを調べました。行動を変化させる因子を次の3つに分解して調べたのです。

Antecedent:先行刺激 Behavior:行動 Consequence:結果

例えば、ラットの研究では、

A:(ラットが)腹が減った → B:(ラットが)目の前にあるレバーをおす C:餌が(自動的に)出てくる。その結果レバーの操作をラットが覚える。

・・・・といった実験です。このような「先行刺激→行動→結果」の流れを「三項随伴性」といいます。三項随伴性の分析は、その頭文字をとって、ABC分析とも言われています。

この研究が今現在、「プログラム学習」と呼ばれる学習理論に結び付いています。それが、虚言癖の改善にどのように役に立つのでしょうか?

ラットの研究から

三項随伴性の実験の結果を分析すると、次の4つのパターンに分類されることが分かったのです。これはその後の研究で、人間にも当てはまることが分かりました。

パターン1 正の強化与えられた(+)ことで行動が増える↑
パターン2 正の罰(弱化)与えられた(+)ことで行動が減る↓
パターン3 負の強化:取り除かれた(-)ことで行動が増える↑
パターン4 負の罰(弱化):取り除かれた(-)ことで行動が減る↓

もう少しわかりやすい(卑近な)例で書くと、次のようになります。

パターン1:望ましい結果を得たことで行動が増える
A 難しい問題に遭遇した
B なんとか粘り強く解決した
C 先生にほめられた

パターン2:嫌な結果を得たことで行動が減る
A 授業が分からない
B 教室を出歩いた
C 先生に叱られたので、出歩くのを止める

パターン3:不快なことが取り除かれたことで行動が増える
A 外が暑い
B エアコンを購入した
C 家の中が快適なので、勉強が進んだ

パターン4:楽しみを奪われたことで行動が減る
A ボールを見つけた
B 窓際でキャッチボールをしてガラスを割った
C おこづかいが減った

行動を強く変える力のあるパターンは、どれ?

実験の結果分かったことは、行動を増やすことの方が、行動を減らすよりも強く働くということのようです。つまり、パターン1が、その人の行動をもっとも強く変えるパターンといえます。

叱ることは必要なのでは?

だから、パターン2は、叱ったときはその時はいうことを聞きますが、行動が強化されたとはなりにくいので、同じことを繰り返す可能性が残るということです。

当たり前のことかもしれませんが、「善いことはほめ、(人に迷惑をかけないなら)悪いことは無視する」ということで、人は変わるということかもしれません。これは、随伴性の観点から考えても立派な行動療法的な働きかけです。

随伴性の観点から行われる行動療法は、医療機関でも行われています。教育・福祉領域や、アルコールや薬物への依存に対する治療、禁煙などにも有効であると言われ、さまざまな分野で取り入れられています。

あなたの相手が虚言へ依存していることも、もしかすると行動療法で変えられるかもしれません。

その際は、あなたの温かい励ましが、虚言に悩む人にとって行動を変えるきっかけとなるかもしれません。

 

あなたに対する虚言がそれほど大きなダメージをもたらさないならば、適度に無視することでもしかすると相手は虚言をするメリットがなくなり、虚言が減るかもしれません。やってみる価値はあると思います。

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ミツヲ

ミツヲ

コンサルタント養成の通信教育を経て、「人と人との結びつきの大切さ」 「歩み寄ってお互いの接点を見出すことの大切さ」を学びました。 問題や悩みに向き合うことは大変ですが、行動すればきっと一歩前進します。

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